NSJ創立10周年のパーティが開催された。主人公仲宗根幸子さんの晴れやかな姿に、心より祝福を申しあげた。オーバー気味な祝辞を始め、多彩な出席者たち、届けられた多くの生花、かいがいしく働くスタック達など、これがネイル業界の縮図であり、自身で勝ち得た努力の結晶である。しかし、ここまで到達するには、並大抵な苦労ではなかった。その“波乱万丈”をご紹介しよう。
小学校時代には「歌手になって、派手な衣裳を着て、フットライトを浴びステージに立つ」のを夢に見て、毎日ヘアースタイルを変えて、薄くファンデーションと口紅を塗って、どんなに寒くてもミニスカートで通していたとのこと。
高校時代には、ロックバンドにハマり、全国のベース廻りをしていたので、音大志望もいつの間にか挫折、養母の関係で美容学校へ入学。
「ネイル」との出会いは、スタイリストとしての海外出張の時、サザンカリフォルニアのロングビーチ。その時の感動を大切にして、ネイルの魅力をとことん追求し、アメリカン・ビューティインダストリーで基礎を学び、後に故・山崎充子にも師事し、独自のイズムを創造していった。
特筆すべきは、協会が冬の時代を継続するにあたり、ネイリストたちの唯一の拠り所になっていた年に1度のイベント[ネイル・コンペティション]に於いて、見事“V10”。毎年NSJ会員から、総合チャンピオンを誕生させたことである。
誰も成しえないこの偉業が、彼女を支える誇りと自身の裏付けになっており、常に軌道修正しながら、鋭い直感力で次々に実行されていくイベントは、若いネイリストたちに新鮮な夢と素晴らしい体験をさせている。
しかし、「わがまま」を自認している如く、取り巻くスタッフたちの努力なくして実現しない、太い絆で結ばれて頑張り抜いているNSJ幹部達を讃えたい。内に小池・山崎、外に兼光・伊藤、それに続く黒崎・野尻たち、業界の次代を担う素直で魅力的な人材が揃っている。
教育活動に於いては、目標を世界のトップになれるネイリストの育成に置き、先輩が後輩を大切に育て、後輩であっても良い技術を持っていれば素直な気持ちで教えてもらう雰囲気作り、さらに、全員でコンテストに出場することで、良い意味で競争心を育てている。一般の生徒には「お客様に満足して頂ける」という喜びを得るために「技術には終わりや完成はなく、ひたすら練習すること」プロフェッショナルの基本精神を説いている。
協会活動では、健全なる産業として社会に認知される規律を確立させ、全国津々浦々まで完全に浸透するまでは、大切に大切に育てていきたい。
是非実現させたいことは、ネイルに出会えた時に印象的に残ったアメリカのお年寄りの様に日本のお婆ちゃんもお手入れをして明るく色彩る、そんな時代が来ること。それとコンテストの審査で、選手の前で、点数を入れる公明なシステム創り。
筆者とは協会の企画・運営でよくもめる。立場の違いから生ずるモノだが、基本目的は一致しているし、性格も似てる所があるから仕方がない。今後も繰り返されていくだろうがこれがお互いの若さを保つ秘訣かもしれない。しかし、最近では、遠くから冷静に見ている人も多くなったので、何時までもバトルを楽しんでいられそうもない。
<1999年7月記 原文>